2026.06.12
雨ニモマケズ
雨ニモマケズ
土地家屋調査士法人中央ライズアクロス大阪支店の佐藤です。
5月中旬にこの原稿を執筆しておりますが、これから梅雨を迎え、やがて暑い夏がやって来ます。屋外で仕事をすることの多い土地家屋調査士にとっては、なかなか厳しい季節です。
土地家屋調査士の仕事は、天候に左右される屋外作業も多く、大阪支店でも安全管理に十分配慮しながら、雨の日や暑い日にも現場と向き合う場面がございます。
そんな現場に向かうとき、ふと頭に浮かぶのが、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」です。
私はこの詩に触れるたびに、「そういう者に私はなりたい」と思うのですが、果たして本当に「そういう者」になれているのか。土地家屋調査士の視点から、少しだけ検証してみたいと思います。
(※本稿は、宮沢賢治「雨ニモマケズ」を題材に、土地家屋調査士の日常をユーモアを交えて綴ったものです。)
「雨にも負けず」 宮沢賢治
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫なからだを持ち
(雨、風、雪、暑さと向き合う仕事ですので、安全第一を前提に合格)
欲は無く
(境界確定の際には、すんなり決まってほしいという願いがつい出てしまうので不合格)
決して瞋からず
(怒らないよう心がけていますが、難しいご要望に心が揺れることもありますので不合格)
何時も静かに笑っている
(困ったときほど落ち着いて笑顔でいたいと思っていますので、努力点込みで合格)
一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ
(玄米四合を食べなくても測量はできますし、肉も食べますので不合格)
あらゆる事を自分を勘定に入れずに
(境界に関することについては、土地家屋調査士の責務として公正な立場を大切にしています。ただ、あらゆる事となると不合格)
良く見聞きし判り
(境界については、よく見聞きし、理解しなければ仕事になりませんので合格)
そして忘れず
(境界等の仕事については忘れませんが、その他のことはよく忘れるので不合格)
野原の松の林の影の小さな萱葺きの小屋に居て
(都会の大きな陸屋根のビルに居るので不合格)
東に病気の子供あれば 行って看病してやり
西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を背負い
(境界で困っている方がいれば、現場へ行き、相談にのるという意味では合格)
南に死にそうな人あれば 行って怖がらなくても良いと言い
(この一節は、静かに受け止めたいと思います)
北に喧嘩や訴訟があれば つまらないからやめろと言い
(境界争いがあっても、さすがに「つまらないからやめろ」とは言えません。まずは事情を丁寧に伺うことから始まりますので不合格)
日照りのときは涙を流し
※「日照り」は「ヒドリ」(日雇い稼ぎ)説もございます。
(日照りの時も、汗と涙を流しながら現場に向き合っておりますので合格)
寒さの夏はオロオロ歩き
(寒さの夏は、屋外作業には少しありがたい気候ですので不合格)
皆にデクノボーと呼ばれ
(似たようなお言葉を、愛情込みでいただくこともありますので合格)
誉められもせず苦にもされず
(土地家屋調査士の仕事は、普段はあまり表に出ない仕事かもしれません。それでも、土地の境界を明らかにし、暮らしや取引の土台を支える大切な仕事です)
そういう者に
私はなりたい
大阪支店 支店長 佐藤太郎